COLUMN · 2026.06.26

一般貨物自動車運送事業許可の取得要件|緑ナンバー取得を目指す方へ

運送業を法人または個人事業として営む場合、他人の荷物を有償で運ぶ行為には一般貨物自動車運送事業の許可が必要です。いわゆる「緑ナンバー」の取得がこれに当たります。許可を受けずに事業を行うと、貨物自動車運送事業法違反として行政処分の対象となる可能性がありますので、事業開始前に要件を正確に把握しておくことが重要です。当事務所では、大阪・瓦町を拠点に、行政書士と社会保険労務士のダブルライセンスを活かし、許可申請から人員体制の整備まで一括してサポートしています。

1. 一般貨物自動車運送事業許可とはなにか

一般貨物自動車運送事業とは、不特定多数の荷主から依頼を受け、有償で貨物を自動車で輸送する事業のことを指します。宅配便事業者や引越業者、チャーター便を提供する運送会社などが典型的な例です。この事業を始めるには、国土交通大臣または地方運輸局長の許可が必要であり、大阪府内では近畿運輸局が窓口となります。

なお、自社の荷物のみを運ぶ場合は「自家用」扱いとなり、この許可は不要です。また、軽自動車や二輪車のみを使用する場合は「貨物軽自動車運送事業」の届出制度が適用されるため、一般貨物の許可とは区別されます。

2. 車両(営業車両)に関する要件

許可申請時点で、最低5台以上の事業用車両を確保していることが必要です。この5台には軽自動車および二輪車は含まれません。また、車両はすべて使用権原があることが求められており、自己所有でなくリースや割賦購入中の車両であっても、使用権原が確認できる書類があれば認められる場合があります。

車両の規模や種類によって、必要な施設・人員の要件も変わってきます。大型トラックを使用する場合と小型トラックのみの場合とでは、車庫の面積要件なども異なる点に注意が必要です。

3. 人員(ドライバー・管理者)に関する要件

人員要件は、当事務所が社会保険労務士業務と密接に関わる部分でもあります。主な要件は以下のとおりです。

  • 運転者(ドライバー):車両数以上の人数を確保する必要があります。全員が運転する車両に応じた適切な運転免許を保有していることが求められます。
  • 運行管理者:事業用自動車の安全な運行を管理する者として、運行管理者資格者証の保有者を1名以上選任する必要があります。車両が30台を超える場合は追加で選任が必要です。
  • 整備管理者:車両の点検・整備を管理する者として、一定の資格または実務経験を有する者を選任する必要があります。

運行管理者・整備管理者については、申請者自身が兼務することも可能ですが、要件を満たしているかどうかを事前に確認しておく必要があります。また、ドライバーを雇用する場合は社会保険・労働保険への加入が義務付けられており、当事務所では許可申請と並行して労務環境の整備もサポートしています。

4. 営業所・車庫(施設)に関する要件

施設要件は大きく「営業所」と「車庫」に分かれます。

営業所については、農地や市街化調整区域内など、法令上の制限がない場所であることが必要です。また、使用権原(自己所有または賃貸借契約)があることを証明する書類が求められます。自宅を営業所とする場合も、一定の条件のもとで認められることがあります。

車庫については、すべての事業用車両が収容できる広さが必要です。具体的には、車両と車庫の境界・車両相互間の間隔として50センチメートル以上を確保した上で、全車両が収まる面積が求められます。また、車庫は営業所との距離が原則として直線距離で10キロメートル以内(地域によって異なる場合があります)であることも条件のひとつです。

さらに、営業所・車庫ともに都市計画法・建築基準法その他関係法令に抵触していないことの確認が必要となります。この点は事前調査に時間がかかる場合がありますので、早めの確認をお勧めします。

5. 財務(資金)に関する要件

一般貨物自動車運送事業の許可申請では、事業開始に必要な資金を自己資金として確保していることが求められます。申請時点で、以下の費用を賄えるだけの資金が金融機関の残高証明などで確認できる必要があります。

  • 車両費(取得または残価)
  • 車庫・営業所の賃料(6か月分程度)
  • 人件費(6か月分程度)
  • 燃料費・油脂費(3か月分程度)
  • 自動車保険料など各種保険料
  • その他、事業開始に要する費用

必要な自己資金額は事業規模によって異なりますが、一般的には数百万円以上となることが多く、計画段階から資金繰りを見通しておく必要があります。金融機関の残高証明は申請直前のものが求められますので、申請スケジュールと合わせて準備を進めることが重要です。

6. 申請から許可・緑ナンバー取得までの流れ

近畿運輸局への申請後、標準的な審査期間は3〜5か月程度とされています。ただし、書類に不備がある場合や補正対応が必要な場合は、さらに時間がかかる可能性があります。

許可が下りた後も、すぐに事業を開始できるわけではありません。登録免許税の納付・運輸開始前届出・各種保険への加入・運輸開始届の提出など、一連の手続きを経て初めて緑ナンバーでの営業が可能となります。

当事務所では、書類収集・作成から運輸局への申請代行、許可後の各種手続きまで一貫したサポートを提供しています。また、社会保険労務士としての立場から、ドライバーの雇用契約書の整備・就業規則の作成・社会保険手続きなど、労務面の支援も同時に行うことが可能です。運送業の新規参入や現状の白ナンバーから緑ナンバーへの切り替えをご検討の事業者様は、まずはお気軽にご相談ください。

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※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。具体的な申請可否・採択可能性は事業内容により異なります。

執筆:東亮介(行政書士 第13262050号/社会保険労務士 第27130052号)

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