COLUMN · 2026.07.28

特定技能外国人受入れの流れと登録支援機関の役割

近年、慢性的な人手不足を背景に、特定技能制度を活用して外国人材を採用する企業が増加しています。しかし、受入れまでの手続きは多岐にわたり、出入国在留管理庁への申請だけでなく、社会保険や労働法令への対応も必要となります。当事務所では、行政書士と社会保険労務士のダブルライセンスを活かし、在留資格申請から労務管理まで一貫したサポートを提供しています。本コラムでは、特定技能外国人の受入れ手続きの全体像と、登録支援機関の具体的な役割について整理します。

1. 特定技能制度の概要と対象分野

特定技能は、2019年4月に創設された在留資格で、一定の専門性・技能を持つ外国人が日本で就労することを可能にする制度です。現在、特定技能1号特定技能2号の2種類があり、1号は最長5年の在留期間、2号は要件を満たせば在留期間の更新が可能で、家族の帯同も認められています。

対象となる産業分野は順次拡大されており、2024年時点では介護、建設、製造業、外食業、農業など12分野が対象となっています。各分野ごとに求められる技能水準や日本語能力の要件が定められており、試験合格または技能実習2号修了などが在留資格取得の条件となります。

2. 受入れ企業(特定技能所属機関)に求められる要件

外国人を受け入れる企業は「特定技能所属機関」として、出入国在留管理庁が定める各種基準を満たす必要があります。主な要件は以下のとおりです。

  • 労働・社会保険関係法令を遵守していること
  • 過去5年以内に出入国・労働法令に関する違反がないこと
  • 外国人と同等の業務に従事する日本人労働者と同等以上の報酬を支払うこと
  • 一時帰国を希望する際に有給休暇を取得させるなど適切な支援を行うこと

特に労働・社会保険の適正な手続きは、当事務所が社会保険労務士として日常的にサポートしている領域です。雇用保険・健康保険・厚生年金保険への加入はもちろん、賃金台帳や出勤簿の整備など、労務管理体制の構築が求められます。受入れ前に現状の労務管理を見直しておくことで、後のトラブルを防ぐことができる可能性があります。

3. 特定技能外国人受入れの主な流れ

受入れ手続きは大きく分けると、以下のステップで進むことが一般的です。

  • STEP1:採用活動・人材確保 国内在住の特定技能外国人または海外からの招聘。求人媒体や送出し機関を通じて候補者を確保します。
  • STEP2:雇用契約の締結 報酬・業務内容・労働条件等を明示した契約書を作成します。母国語での説明が義務付けられている場合があります。
  • STEP3:支援計画の策定 1号特定技能外国人を受け入れる場合、事前ガイダンスや生活支援など10項目の支援を網羅した「1号特定技能外国人支援計画」を作成する必要があります。
  • STEP4:在留資格申請 出入国在留管理庁に在留資格認定証明書交付申請(海外からの場合)または在留資格変更許可申請(国内在住の場合)を行います。
  • STEP5:入国・就労開始後の支援 入国後の住居確保支援、日本語学習機会の提供、定期面談など継続的な支援を実施します。

申請から許可まで、状況によって1〜3ヶ月程度かかることがあります。採用スケジュールに余裕を持って準備を進めることが重要です。

4. 登録支援機関の役割とは

1号特定技能外国人を受け入れる企業は、前述の支援計画に基づく支援業務を自社で実施するか、出入国在留管理庁に登録された「登録支援機関」に委託することができます。支援業務の全部委託を行った場合、受入れ企業は支援計画の実施義務を履行したものとみなされます。

登録支援機関が担う主な支援業務は以下のとおりです。

  • 事前ガイダンス(在留資格・生活・職場環境等の説明)
  • 出入国時の送迎
  • 住居確保・生活に必要な契約に係る支援
  • 生活オリエンテーション(交通・医療・防災等の案内)
  • 公的手続きへの同行
  • 日本語学習の機会提供
  • 相談・苦情対応
  • 日本人との交流促進
  • 定期面談・行政機関への通報

これらの支援は外国人の生活基盤を整えるうえで重要であり、適切に実施されないと在留資格の更新に影響が生じる可能性があります。当事務所は登録支援機関としても機能しており、支援計画の策定から各種支援業務の実施まで対応することが可能です。

5. 受入れにあたって注意すべきポイント

特定技能の手続きにおいて、実務上よく問題となるポイントをいくつか挙げておきます。

まず、雇用契約書・支援計画書の記載内容については、出入国在留管理庁の審査で不備が指摘されることがあります。特に報酬額の根拠や同等比較対象者との比較方法は丁寧に整理する必要があります。次に、社会保険の適用漏れは、外国人労働者であっても日本の社会保険制度が適用されるため、雇用開始と同時に速やかな手続きが求められます。手続きの遅延は行政指導の対象となることがあります。

また、分野別協議会への加入が受入れの要件となっている場合があります。建設・介護など特定の分野では、所管省庁が設置する協議会への加入が義務付けられており、未加入の状態で申請を行うと許可が下りない可能性があります。

6. 当事務所へのご相談について

特定技能外国人の受入れは、在留資格申請(行政書士業務)と労務・社会保険手続き(社会保険労務士業務)が密接に絡み合う手続きです。窓口を一本化することで、申請書類と労務管理体制の整合性を確保しながら手続きを進めることができる可能性があります。

当事務所は大阪・瓦町を拠点に、製造業・飲食業・介護事業者など幅広い業種の受入れ支援実績があります。初めて特定技能外国人の採用を検討される企業様から、すでに受け入れているが書類整備に不安があるという企業様まで、状況に応じたご提案をしております。まずはお気軽にご相談ください。

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※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。具体的な申請可否・採択可能性は事業内容により異なります。

執筆:東亮介(行政書士 第13262050号/社会保険労務士 第27130052号)

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