COLUMN · 2026.05.10

宅地建物取引業免許の新規申請と供託制度|手続きの全体像と選択のポイント

不動産業を始めるにあたり、まず避けて通れないのが宅地建物取引業免許(宅建業免許)の取得です。免許申請そのものの手続きに加え、営業開始までに「供託」または「保証協会への加入」という財産的基盤の確保が求められます。当事務所では、大阪・瓦町を拠点に多くの宅建業者様の免許申請をサポートしてきた経験をもとに、本記事では制度の仕組みと実務上の留意点を整理してご説明します。

1. 宅建業免許とは何か|取得が必要なケースを確認する

宅地建物取引業法(以下「宅建業法」)に基づき、宅地・建物の売買・交換・賃貸借の代理または媒介を業として行う場合には、原則として宅建業免許の取得が必要です。「業として行う」とは、不特定多数の者を相手に反復・継続して取引を行うことを指し、単発の自己所有不動産の売却などは該当しない場合がありますが、判断が難しいケースも少なくありません。

免許の種別は、事務所を設ける都道府県数によって異なります。

  • 知事免許:1つの都道府県内にのみ事務所を設ける場合(例:大阪府知事免許)
  • 大臣免許:2つ以上の都道府県に事務所を設ける場合(国土交通大臣免許)

新規開業の多くは知事免許からスタートします。大阪府の場合、申請先は大阪府住宅まちづくり部建築振興課となります。免許の有効期間は5年で、以降は更新手続きが必要です。

2. 新規申請の主な要件と必要書類

宅建業免許を取得するためには、法令が定める一定の要件を満たす必要があります。主な要件は以下のとおりです。

  • 専任の宅地建物取引士の設置:事務所ごとに、業務に従事する者5名につき1名以上の専任の宅建士を置く必要があります
  • 事務所の形態要件:独立した事務所スペースがあること。自宅兼事務所の場合は間取りや動線の独立性が問われることがあります
  • 欠格要件に該当しないこと:免許取消処分を受けてから一定期間が経過していない者、禁錮以上の刑に処せられた者などは申請できません

必要書類は申請形態(法人・個人)によって異なりますが、一般的に登記事項証明書、定款、身分証明書、納税証明書、事務所の平面図・写真などが求められます。書類の不備や記載誤りが原因で審査が長引くことがありますので、事前の精査が重要です。

3. 営業保証金の供託制度|直接供託の仕組みと金額

免許を取得しただけでは営業を開始することはできません。宅建業法は、取引の相手方が損害を受けた場合の補償を確保するために、営業保証金の供託を義務付けています。

供託とは、法務局(供託所)に一定の金銭または有価証券を預け入れる手続きです。供託が完了し、その旨を免許権者に届け出た後、はじめて営業を開始することができます。

供託金額は事務所数によって定められており、目安は以下のとおりです。

  • 主たる事務所:1,000万円
  • 従たる事務所(1か所ごと):500万円

主たる事務所のみの場合でも1,000万円という高額な資金が必要となります。この金額を現金で用意することは新規開業者にとって大きなハードルとなることが多く、後述する保証協会への加入が現実的な選択肢となる場合があります。

4. 保証協会への加入|弁済業務保証金分担金の仕組み

直接供託の代替手段として、宅地建物取引業保証協会(保証協会)に加入する方法があります。保証協会は全国に2つ存在します。

  • 公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証・ハトのマーク)
  • 公益社団法人 不動産保証協会(全日本不動産協会・ウサギのマーク)

保証協会に加入すると、弁済業務保証金分担金を協会に納付することで、直接供託に代えることができます。分担金の金額は以下のとおりです。

  • 主たる事務所:60万円
  • 従たる事務所(1か所ごと):30万円

直接供託と比較すると、主たる事務所のみの場合、1,000万円が60万円で済む計算になります。資金面での負担が大幅に軽減される可能性があるため、新規開業者の多くが保証協会への加入を選択する傾向にあります。なお、保証協会への加入には入会金・年会費などが別途必要となる場合があり、各協会にご確認いただくことをお勧めします。

5. 申請から営業開始までのスケジュール感

宅建業免許の取得から営業開始まで、実務上どの程度の期間を見込めばよいかは、申請者が多く気にされる点の一つです。一般的な目安は以下のとおりですが、書類の準備状況や行政の審査状況によって前後することがあります。

  • 書類収集・作成:2〜4週間程度
  • 申請受理から免許通知まで:約30〜40日(知事免許の場合)
  • 免許通知受領後の供託または保証協会手続き:1〜2週間程度

合計すると、準備開始から営業開始まで2〜3か月程度を見込んでおくことが現実的です。特に事務所の賃貸借契約や宅建士の確保など、並行して進めるべき準備事項もありますので、余裕を持ったスケジュール設定をお勧めします。

6. 当事務所のサポート体制について

当事務所(行政書士・社会保険労務士 東亮介事務所)では、宅建業免許の新規申請に関する書類作成・官公署への申請手続きを一括してサポートしております。行政書士としての申請実務に加え、社会保険労務士のダブルライセンスを活かし、新規開業に伴う社会保険・労働保険の手続きや雇用に関するご相談にも対応することが可能です。スタッフを雇用して事業をスタートされる方にとって、免許取得と労務整備を同時に進められる点は、事務所の強みの一つと考えています。

宅建業免許の申請は、要件の確認から書類収集、申請後の供託手続きまで多岐にわたります。「どこから手をつければよいかわからない」「書類が揃っているか不安」といったお悩みをお持ちの方は、お気軽に当事務所へご相談ください。初回相談は無料で承っております(ご予約制)。なお、申請結果については行政の判断によるものであり、当事務所が特定の結果を保証するものではありません点、あらかじめご了承ください。

FREE CONSULTATION

補助金・助成金・許認可のご相談は当事務所へ

初回相談は無料です。社労士×行政書士のダブルライセンスで、ワンストップ対応いたします。


※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。具体的な申請可否・採択可能性は事業内容により異なります。

執筆:東亮介(行政書士 第13262050号/社会保険労務士 第27130052号)

電話相談 LINE 無料相談