SECURITY ACTION自己宣言の手順とデジタル化補助金への活用
デジタル化に向けた補助金を検討している中小企業・個人事業主の方から、「SECURITY ACTIONという手続きが必要と聞いたが、何をすればよいかわからない」というご相談を当事務所では多くいただきます。SECURITY ACTIONは情報セキュリティに関する自己宣言制度ですが、補助金申請の要件として位置づけられているケースがあるため、制度の内容と手順を正確に理解しておくことが重要です。本コラムでは、SECURITY ACTIONの概要から自己宣言の具体的な手順、デジタル化補助金との関係まで、順を追って解説いたします。
1. SECURITY ACTIONとはどのような制度か
SECURITY ACTIONとは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営する、中小企業・小規模事業者向けの情報セキュリティ対策自己宣言制度です。自社で情報セキュリティ対策に取り組むことを自ら宣言し、その姿勢を対外的に示すための仕組みとして設けられています。
この制度では、取り組みのレベルに応じて「★一つ星」と「★★二つ星」の2段階の宣言区分が設けられています。一つ星は「情報セキュリティ5か条」への取り組みを宣言するもので、二つ星は「情報セキュリティポリシー(基本方針)」を策定・公開した上で宣言するものです。いずれの段階も、外部機関による審査や認定ではなく、事業者自身が自己評価のうえ宣言を行う点が特徴です。
制度自体は無料で利用でき、宣言後はIPAから所定のロゴマークの使用が認められます。このロゴマークを名刺や自社サイト、取引先への提案書等に掲載することで、情報セキュリティへの取り組み姿勢を示す効果が期待できます。
2. 自己宣言の具体的な手順
SECURITY ACTIONの自己宣言は、IPA公式サイト上のシステムから行います。以下に手順を整理します。
- IPA公式サイト「SECURITY ACTION」のページにアクセスし、新規アカウントを作成する
- 事業者の基本情報(法人名または屋号、代表者名、所在地、業種等)を入力する
- 宣言区分(一つ星または二つ星)を選択し、該当する取り組み内容を確認・同意する
- 二つ星を選択する場合は、事前に情報セキュリティ基本方針を策定し、自社ウェブサイト等で公開しておく必要がある
- 宣言内容を送信し、受付完了後にロゴマークのデータを取得する
手続き自体は比較的シンプルですが、二つ星の宣言には情報セキュリティ基本方針の事前策定と公開が前提となるため、この点を見落とすと申請要件を満たせない可能性があります。当事務所では、基本方針の文書作成についてもご支援できる体制を整えております。
3. デジタル化補助金とSECURITY ACTIONの関係
SECURITY ACTIONが特に注目されるようになった背景には、IT導入補助金をはじめとするデジタル化関連補助金の申請要件として自己宣言が求められるようになったことがあります。
IT導入補助金では、申請事業者がSECURITY ACTIONの一つ星以上の宣言を行っていることが要件の一つとして設定されているケースがあります(補助金の枠組みや年度によって要件が変わる可能性があるため、申請時点での公募要領を必ず確認することが重要です)。宣言を行っていない場合、申請要件を満たせず採択審査に進めないことがあります。
また、デジタル田園都市国家構想交付金を活用した地方自治体独自のデジタル化補助金においても、SECURITY ACTIONの宣言を要件や加点事項として設けているケースが見られます。大阪府・大阪市内の補助金制度についても同様の動きがあるため、当事務所では申請準備の段階でSECURITY ACTIONの宣言状況を確認するよう、ご相談者の方にご案内しています。
4. 一つ星・二つ星の選択と補助金申請への影響
補助金申請においては「一つ星で足りるのか、二つ星が必要なのか」という点がよく論点になります。IT導入補助金の場合、多くの枠で一つ星以上の宣言が要件とされていますが、申請する補助金の種類や枠によって求められる水準が異なる可能性があります。
一般論として、一つ星の宣言で要件を満たせる場合が多い一方、二つ星を宣言している事業者の方が情報セキュリティへの取り組みとして対外的な信頼性を示しやすい側面があります。また、将来的に取引先からの要求や、補助金以外のビジネス上の必要性から二つ星相当の対応が求められる場面が増える可能性もあります。
当事務所としては、補助金申請という短期的な目的だけでなく、事業継続の観点からも情報セキュリティの体制整備を検討されることをお勧めしています。ただし、具体的にどの宣言区分が適切かは、事業の規模・業種・取り扱う情報の性質によって異なるため、一概に断定することはできません。
5. 宣言後の維持と注意事項
SECURITY ACTIONの自己宣言には有効期限が設けられており、宣言から1年ごとに更新手続きが必要です。更新を怠ると宣言が失効し、ロゴマークの使用権も失われます。補助金の採択後に更新を忘れてしまうケースが散見されるため、スケジュール管理が重要です。
また、自己宣言はあくまでも「取り組む意思を宣言する」制度であり、宣言の内容と実態が乖離している場合、宣言の趣旨に反することになります。IPAは宣言の内容について外部審査を行う仕組みではありませんが、取引先や顧客から実際の対応状況について問い合わせを受ける場面は今後増えていく可能性があります。宣言に見合った実務的な情報セキュリティ対策を継続的に進めることが、制度の適切な活用につながります。
6. 当事務所でのサポート体制について
当事務所(大阪市中央区瓦町)では、行政書士・社会保険労務士のダブルライセンスを活かし、補助金申請の手続き支援と労務管理体制の整備を一体的にサポートしています。IT導入補助金をはじめとするデジタル化補助金の申請においては、提携するIT導入支援事業者とも連携しながら、SECURITY ACTIONの宣言準備から申請書類の作成まで総合的にご支援できる体制を整えております。
「補助金を活用してシステムを導入したいが、どこから手をつければよいかわからない」という段階からご相談いただくことも可能です。SECURITY ACTIONの自己宣言や情報セキュリティ基本方針の策定についてお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。なお、補助金の採択可否については申請内容や審査状況によるため、結果を保証するものではありませんが、要件を正確に理解した上での準備をサポートすることが当事務所の役割と考えています。
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※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。具体的な申請可否・採択可能性は事業内容により異なります。
執筆:東亮介(行政書士 第13262050号/社会保険労務士 第27130052号)