COLUMN · 2026.06.02

飲食店営業許可の申請手順と必要書類

飲食店を開業するにあたり、避けて通れない手続きのひとつが保健所への飲食店営業許可申請です。食品衛生法に基づくこの許可を取得しなければ、原則として飲食業を営むことはできません。当事務所では大阪・瓦町を拠点に、飲食店開業に関する許認可申請のサポートを行っており、本コラムでは申請の基本的な流れと必要書類について整理してご説明します。

1. 飲食店営業許可とはどのような許可か

飲食店営業許可は、食品衛生法第55条に基づき、都道府県知事(政令市・中核市では市長)が飲食店の営業を認める許可です。大阪市内であれば大阪市保健所、大阪府下の各市町村であれば管轄の保健所または市の担当窓口に申請を行います。

令和3年6月の食品衛生法改正により、従来の「飲食店営業」と「喫茶店営業」が「飲食店営業」に一本化されました。これにより、カフェ・バー・食堂・レストランなど、飲食物を提供する業態の多くがこの一区分に統合されています。ただし、菓子製造やそうざい製造など、製造・加工を伴う業種については別途の許可が必要になる場合があります。開業予定の業態によって必要な許可の種類が異なることがありますので、事前に確認することをお勧めします。

2. 申請前に確認すべき施設基準

保健所への申請に先立ち、店舗の構造・設備が施設基準を満たしているかどうかを確認することが重要です。施設基準は都道府県ごとの条例で定められており、大阪府・大阪市においても独自の基準が設けられています。主なチェックポイントは以下のとおりです。

  • 食品を取り扱う区域と客席・その他の区域が明確に区分されていること
  • 手洗い設備が適切な位置に設置されていること(シンクとは別に設置が求められる場合があります)
  • 冷蔵・冷凍設備が適切に備わっていること
  • 換気設備・防虫・防そ設備が整備されていること
  • 床・壁・天井が清掃しやすい素材・構造であること

内装工事が完了した後に施設基準を満たしていないことが判明すると、追加工事が必要となり開業時期が大幅に遅れる可能性があります。工事着工前または内装設計の段階で事前相談として保健所に図面を持参し、確認を受けることが実務上の定石です。当事務所でも、設計図面の段階からの確認同行サポートを行っております。

3. 食品衛生責任者の設置要件

飲食店営業許可の取得にあたっては、施設ごとに食品衛生責任者を1名置くことが義務付けられています。食品衛生責任者になることができる資格・経歴は主に以下のとおりです。

  • 調理師・栄養士・製菓衛生師などの有資格者
  • 食品衛生責任者養成講習会の修了者

有資格者がいない場合でも、各都道府県の食品衛生協会等が実施する養成講習会(1日程度)を受講することで資格を取得することができます。大阪府内でも定期的に講習会が開催されていますので、開業準備の早い段階で受講しておくことをお勧めします。なお、食品衛生責任者は必ずしもオーナー自身でなくても差し支えありませんが、施設に常駐または常時連絡が取れる者を選任することが望まれます。

4. 申請に必要な書類一覧

飲食店営業許可の申請に必要な書類は、自治体によって若干異なる場合がありますが、大阪市を例にとると概ね以下のものが求められます。

  • 営業許可申請書(保健所の窓口または自治体ホームページから入手)
  • 施設の構造および設備を示す図面(平面図・立面図など)
  • 食品衛生責任者の資格を証明する書類(資格証の写し、または講習修了証の写し)
  • 登記事項証明書(法人の場合)または本人確認書類(個人の場合)
  • 水質検査成績書(井戸水等を使用する場合)
  • 申請手数料(大阪市の場合、業種・規模等により1万6,000円〜2万円程度が目安となりますが、変更されることがあるため最新の情報をご確認ください)

申請書類は保健所の窓口で受け付けた後、施設検査(現地確認)が実施されます。検査の結果、基準を満たしていると判断されれば許可書が交付されます。申請から許可書交付まで、おおむね数日〜2週間程度を要することがありますが、混雑状況や書類の不備によって前後する場合があります。開業日から逆算して余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。

5. 申請手続きを進める際の注意点

実務上、申請がスムーズに進まない主な原因として以下の点が挙げられます。

  • 施設図面の記載内容が不十分で、保健所から修正を求められる
  • 施設検査時に手洗い設備や区画の不備が見つかり、追加工事が必要になる
  • 食品衛生責任者の資格証明書類の準備が間に合わない
  • 法人申請の場合に登記内容と申請書の記載が一致していない

これらのミスは、開業スケジュールに直接影響する可能性があります。特にテナント物件の場合は賃料発生日が決まっていることが多く、許可取得の遅延がそのまま開業コストの増加につながることがあります。書類作成・図面確認・保健所への事前相談といった一連の作業を専門家に依頼することで、こうしたリスクを軽減できる可能性があります。

6. 当事務所へのご相談について

当事務所は大阪・瓦町を拠点とする行政書士・社会保険労務士事務所です。飲食店の開業支援においては、保健所への営業許可申請にとどまらず、従業員の採用・社会保険加入手続き(社会保険労務士業務)や、POSレジ・会計ソフト等の導入に関するIT導入補助金の活用支援(提携IT導入支援事業者との連携)まで、開業に関わる幅広い手続きをワンストップでお手伝いできる体制を整えております。

「何から手をつければよいかわからない」という段階からのご相談も承っておりますので、飲食店の開業をお考えの方はお気軽に当事務所までお問い合わせください。

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※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。具体的な申請可否・採択可能性は事業内容により異なります。

執筆:東亮介(行政書士 第13262050号/社会保険労務士 第27130052号)

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